こんにちは。
川越市新河岸&ふじみ野の楽しいピアノ教室「プラネット音楽教室」の嵯峨です。
「今日から俺は」のドラマ再放送を見て、昭和感がリアルに表現されているセットになつかしく(嵯峨は昭和生まれです💦)、ちょっとはまってしまいました。
そして、これを見ながら昔の演奏の仕事を思い出しまたので、ご紹介してみようと思います。
昭和(平成時代でしたが)から引き継いできたやり方の「ラウンジピアノ」のお仕事です。
ラウンジピアノとの出会いとお店
私は、音楽短大在学中から指導の仕事をかなりさせて頂き仕事にやりがいを感じていたのですが、弟子入り扱いで、お給料が厳しく・・・。
音楽教室での指導を終えた後に間に合う、パブでエレクトーン演奏の仕事を始めることにしました。
それ以前にも、結婚式、結婚披露宴、パーティなどでは経験がありましたが、初めての世界にドキドキしたのを覚えています。
そのうち、そこからスカウトされたりして、クラブ、ピアノバーでラウンジピアノ、と演奏の場も広がってきました。
忘年会シーズンは一日に2軒掛け持ちしていたりして(多分ライバル店の掛け持ちは御法度かも)、1ステージの演奏が終わったらドレスの上にコートを羽織って走ってお店を移動して次の店で1ステージ、そしてまた走って戻って2ステージ目・・・。
お陰様で、毎日カツカツ、お昼がカップラーメンだった当初、ラウンジピアノのギャラで、新車、グランドピアノ、エレクトーンを購入して独立の準備をすることができました。
ラウンジピアニストはミュージシャンではなく〇〇
ラウンジピアニストがいる目的は、お客様のいる空間や気分をゴージャスに居心地よくすること。
また、リクエストを受けたり、伴奏をしたり、会話を弾ませるためのきっかけとなる音楽を奏でて、会話を弾ませ食事やお酒の進みを早めてお店の売り上げにに貢献する!
(ここまでは裏読みして少しでもチップを多くもらおうとしていたのは私だけかもしれません 笑)。
コンサートピアニストがタレントだとしたら、ラウンジピアニストは、いわば「職人」という位置づけかなと思います。
そういえば、宮廷お抱えの音楽家、バッハやモーツアルトも「職人」になりますね。
教会から「讃美歌を作ってくれ」とか、宮廷から「今度PARTYをやるから景気のいい曲を作って演奏してくれよ。」
とかです(くるくる巻髪のカツラの方はだいたいそうです)。
芸術家ではなく、お客様の要望、リクエストに応える音楽職人ですね。
1001はリクエストに応えるための必須条件
↑↑写真のボロボロの本は、商売道具、楽譜です。
1001(センイチ)といって、千一曲以上の曲が載っているラウンジピアニストの必需品です。
(写真の楽譜を合わせてざっと計算すると2000曲以上は入ってますね。他にもまだありますが)
ラウンジピアニストは、千一曲弾けないといけない、もしくはそれ以上弾けるくらい、曲を知っていてその場で弾けるだけの即興性がないといけない、という、職人技を表している言葉です。
こちらは、日本の歌謡曲の楽譜
昭和感がすごい💦ボロボロ、使い込み感が・・・。
付箋は、常連のお客様のお気に入りの曲に貼っています。
中はこんな風に
メロディ+コード譜です。
全て、伴奏も書かれた楽譜で持っていたら、お引っ越しサイズの膨大な量になるので、やはりメロディ譜です。
左手の伴奏は、その場でアレンジして弾きます。
知らない曲も絶対に断らないでリクエストを受けていたら
1001曲って、すごい数、と思いますが、曲のジャンルもクラシック、JAZZ、映画音楽、ラテン、バラード、洋楽、邦楽、演歌、など様々なので、実際には足りないです。
お客様からのリクエストもあり、無限近くこなせないとならないかもしれません。
知らない曲をリクエストされて弾く、という事は、結構あります。
写真の楽譜は持っているけれど、全部弾いてみたわけではないので、メロディ譜があれば、ぶっつけで弾きます。
瞬発技、なかなかスリリングな仕事です。
私は、初見(初めてみた楽譜を瞬時に弾く)が苦手なので、原曲の雰囲気や速さで弾いたらうまく弾けなさそうな場合は、よくゆったりしたバラード風にアレンジして、凄そうにきこえるごまかし技を確立していました😓
そして、弾いているうちに、なんとなく曲を覚えて、テンポを上げたり、原曲はこんな感じかな?とまとめていきます。
とにかく、お客様のリクエストを断らない、が第一で、なんとかやる。
でも、とにかくリクエストは断らないで弾く、という事を積み重ねたお陰で、楽譜がなくても弾ける、アレンジして弾く、などのスキルがかなり上がりました。
「火事場の馬鹿力」、ですね。
教室開業の準備金を得る他に、自分のスキルも上がり、とても収穫のあるお仕事でした。
お客様と、音楽や好きな曲の談義に花を咲かせたり、曲のバックボーンや時代背景を教えていただいた事も、豊かな思い出です。
またやってみたいですが、今はレッスンの後にステージで弾く体力がない・・・、ですね(笑)。
レッスンで、大人の生徒さんとこんな音楽談義ができたらうれしいなと思います。
ご希望でしたら、凄そうにゴージャスにきこえるラウンジピアノごまかじ技も伝授いたします♪